シーズン後半戦初戦のアイアンマン台湾大会に出場してきました。2017年アイアンマンワールドチャンピオンシップの出場権を懸け、この台湾大会からスタートを切ることにしました。
現在アジアでのアイアンマンシリーズ戦は台湾とマレーシアしかなく、移動の負担や時差の影響もなく日本から近いということと、そしてアイアンマン台湾チームのホスピタリティーに感銘を受け、この大会への出場を決めました。
レース当日は朝から蒸し暑く、サバイバルレースになりそうな予感がしました。プロ男子が5時55分、女子はその2分後にスタート。水温も高めで波の影響もなく、透明度も抜群で泳ぎやすい海でした。
1周1.9キロを2周するコースで、泳ぎだしてしばらくするとスイスの選手と一緒になり二人で協力しながら泳ぎました。2周目に入ると後ろから上がってきたドイツの選手も合流し、そのままスイムフィニッシュしバイクへ移りました。
バイクコースは30キロくらいはワンウェイで、1往復約40キロを3往復して戻る、緩いアップダウンが連続するコースでした。膨湖島は風が強く、景色も似ていることからまるで宮古島を走っているようでした。スイムもそうでしたが、バイク序盤で調子の良さを感じ、身体が勝手に動いていくような感覚になっていました。調子が良い時はオーバーペースになりがちなので、パワーメーターを見てコントロールしながら走りました。3往復区間の最初の折り返し地点で前を走る選手との差を確認すると、十分射程圏内であることが分かりました。折り返してすぐにオーストラリアの選手を抜いて4位に上がり、さあここから行くぞ!と更に気持ちが高まりダンシングをした時に後輪がパンクをしていることが判明。
近くのバス停まで移動し、急いでパンク修理を始めました。まさにこれからという時のパンクにショックで気が動転し、急いで復帰しなくてはという焦りからか、CO2ボンべを使って空気を入れる時にバルブの先端を折ってしまいました。
携帯していたスペアタイヤもCO2ボンベも失い、レース続行不可能になってしまったので、近くにいたボランティアの方に電話をかけてもらいメカニックの要請をお願いしました。しかし、メカニックは他で作業をしており、作業が終わり次第行くとのことで、その場で待つことになりました。完全に上位争いからは脱落し、待っている間も選手がどんどん通過していくのを見て、何でこんな時に….という気持ちになりもうレースを止めようかと考えました。
しかし少しでもワールドチャンピオンシップの出場ポイントを獲得しなければという思いと、ここで諦めても何も残らないし、時間をかけても完走して今のベストを尽くそうと気持ちを切り替えました。メカニックが到着し、タイヤの修理が全て終わるまで約1時間かかってしまいましたが、ここから再スタートのつもりで走り出しました。
待っていた1時間のうちに気温が上昇していて、こまめに身体に水をかけていないと身体が焼けてしまいそうな暑さでした。バイクパート残り6キロがランパートに入っている選手と対面するのですが、皆どの選手も暑さで苦しんでいるのを見て、これは最後まで何が起きるか分からないからランも諦めずに前を追おうと気持ちを入れ直しました。
ランコースは2往復。ランに入るとバイクで受けていた風はなく、照り付ける暑さと湿度、そして日陰のないランコースに苦しめられました。2キロごとにあるエイドステーションで身体を冷やしてリセットし、また2キロ先にあるエイドステーションを目指す、その繰り返しでした。そうすると前を走っていたオーストラリアの選手に追いつき6位に上がりました。終盤は私もかなり苦しくペースダウンしてしまいました。しかし、すれ違うどの選手達も皆苦しそうで、最後は気持ちの勝負と奮い立たせ、ラスト5キロは再びペースを上げて走ることができました。6位でフィニッシュしました。
2017年アイアンマンワールドチャンピオンシップへの1戦目はパンクというアクシデントで残念な結果に終わってしまいました。自分が思い描いていたレース、ポイントは獲得できませんでしたが、最低限の出場ポイントは獲得することができ、次への一歩につながりました。
また、レースを捨てず、諦めずに最後まで走りきったことは今後の人生にも役立つ経験になったと思います。レース中に色々なことが起きるのもアイアンマン。アイアンマンの厳しさ、楽しさをまた学ぶことができました。
次のレースは12月4日のアイアンマン西オーストラリア(スイム3.8キロ/バイク180.2キロ/ラン42.2キロ)に出場します。今回の悔しさをバネにポイント獲得を目指して頑張ります。
今後とも応援を宜しくお願い申し上げます。
2016年10月13日 株式会社ライムメンバーズ 酒井絵美
リザルト | スイム | バイク | ラン | 総合タイム |
1 Danielle mack (USA) | 1:02:52 | 5:10:55 | 3:31:32 | 9:50:03 |
2 Shiao Yu Li (Taiwan) | 1:06:04 | 5:13:07 | 3:45:41 | 10:10:43 |
3 Katharina Grohmann (Germany) | 1:09:39 | 5:06:53 | 3:59:01 | 10:21:10 |
4 Candova Jana (Switzerland) | 1:08:59 | 5:31:44 | 4:03:34 | 10:50:04 |
5 Stef Puszka (Australia) | 1:05:19 | 5:41:42 | 4:34:24 | 11:27:11 |
6 Emi Sakai (Japan) | 1:09:49 | 6:20:36 | 4:01:45 | 11:37:51 |
使用機材