2017年シーズン開幕戦となる、アイアンマン70.3台湾大会に出場してきました。
シーズン開幕戦はいつも以上に緊張します。特に今年はこのレースが最後のアイアンマンイベントとなるため、レースの前日準備では今までのことを思い出しながら少し感情的にもなってしまいました。
このレースに出場する目的は、来月のメインターゲットである全日本トライアスロン宮古島大会に向けてのトレーニングレースでした。シーズン初戦ということもあり、オフシーズンを挟んで3ヶ月間レースに出場をしていなかったので、レース勘を取り戻す目的でもありました。
プロカテゴリー男子の2分後にプロ女子がスタート。
スタートしてすぐに金縛りにあったように体が硬直してしまい、息も苦しく身体が全く言うことを聞いてくれませんでした。隣でスタートをしたハンガリーのアナ選手とは2月にプーケットで一緒に合宿を行い、同じ位の泳力なことが分かっていたので、アナ選手と一緒に行こうと考えていたのですが、スタートから出遅れてしまい、スタート早々に単独スイムとなってしまいました。もともとスイムは苦手種目ではありますが、この冬は長年直すことができなかった泳ぎの悪い癖が改善できたので、それをレースでどう生かせるかが楽しみだったのですが結局はスイムフィニッシュまで苦しい我慢の泳ぎとなりました。
上位との差はこの時点でかなり空いてしまいましたが、その遅れを取り戻す気持ちでバイクパートに入りました。昨年とはコースが変わって、平坦区間がほとんどを占めるスピードコースでした。スイム同様、バイクでも身体が動かず常に脚に乳酸が溜まっている感覚で、特に向かい風区間は苦戦しました。宮古島大会やアイアンマンハワイに比べたら、今回の風なんて吹いていないに等しいくらいの風でしたが、今回は調子の悪さから、横から吹いてくる嫌らしい風が常に気になってしまいました。
往復コースなので、折り返してすれ違う仲間達との差を確認したり、動いてくれない身体に「今日は耐える練習だ」と言い聞かせながら、どうにか気持ちを切らさずに90キロを走り終えることができました。
ランもスイム、バイク同様スタートから脚が重く、動かない。おまけに気温も上がってきて蒸し暑さも気になってきました。上位との差はもう完全に開いてしまい、勝負にからめるレースではなくなっていました。
ペースを上げて走ることができないけれど、大きくペースダウンだけはしないよう、今日できるベストの走りをしよう、宮古島につながる走りをと思いながら走りました。残り4キロ付近で後ろからスタートした旦那に抜かされてしまいましたが、なるべく離されないよう最後まで粘りました。
結果は7位フィニッシュ。優勝したチリのリベロス選手はオリンピック代表選手で、70.3レースもとても速かった。
ワールドクラスの実力を見せ付けられたレースとなりました。
最後のアイアンマンイベントは終始苦しみ続けたレースとなってしまいました。感動に浸る余裕もなく、とにかく早くフィニッシュをして楽になりたいという思いだけが頭をよぎっていました。苦しみ続けた原因は、2月に行ったプーケットでのハードな合宿の疲労がまだ完全に取りきれていなかったことです。
唯一の合格点は、思うように走れなかったけれど、気持ちを切らさずに我慢をし続けられたことです。ロングのトライアスロンではそのメンタルが大きく左右します。宮古島大会でもきっと何度もそういう局面がやってくるでしょう。そんな時は今回のレースを教訓を思い出し、気持ちで負けない走りをしたいと思います。
次のレースは4月23日の全日本トライアスロン宮古島大会(スイム3キロ/バイク157キロ/ラン42.195キロ)に出場します。
この大会を最後に現役を引退します。大会当日にピークを持っていけるよう、残りの日々を大切に悔いなく過ごしていきたいです。歴代女子最多優勝記録となる4度目の優勝を目指して最善を尽くします。レース当日は大好きな宮古島大会を楽しみ、苦しみ、全てを出し切って笑顔でフィニッシュラインに帰ってきたいと思います。
応援を宜しくお願いいたします。
2017年3月23日 株式会社ライムメンバーズ 酒井絵美
リザルト | スイム | バイク | ラン | 総合タイム |
1 Barbara Rivelos (Chille) | 25:22 | 2:20:39 | 1:21:45 | 4:13:22 |
2 Radka Vodickova (CzechRepublic) | 25:18 | 2:20:43 | 1:25:28 | 4:17:06 |
3 Mariya Shortes (Russia) | 25:18 | 2:27:03 | 1:21:50 | 4:19:41 |
4 Anna Eberhardt (Hungary) | 34:11 | 2:21:24 | 1:28:42 | 4:30:33 |
5 Kate Bevilaqua (Australia) | 27:52 | 2:25:45 | 1:37:23 | 4:37:54 |
6 Annelise Jefferies (Australia) | 29:50 | 2:28:57 | 1:34:22 | 4:40:20 |
7 Emi Sakai (Japan) | 36:34 | 2:28:27 | 1:39:23 | 4:51:36 |
使用機材